ホワイトペーパー:品質の「可視化」で戦略的なテストリソース配分を実施 -02-

ソフトウェアの不具合が企業の存続に関わる大問題に発展

まずは下の表1をご覧いただきたい。
これらは2007~2008年に発生した組込みソフトウェアが原因と思われるトラブルである。
いずれのトラブルも社会的なインパクトが大きく、広く報道された。このように近年、組込みソフトウェアの機能拡張や適用範囲は急速に拡大する中で、ソフトウェアの不具合が急増している。

利用者や利用シーンの拡大により、一件あたりの損害額も増大していると考えられ、数字に表れない顧客満足度といった指標も勘案するならば、非常に大きなインパクトが発生していると考えられる。
通常、我々が製品を購入する際には、購入前に実物やカタログで機能や材質、形状などを確認する。外型や機能に対しては購入前の期待値と実際の製品とで大きな差異は生まれにくい。

しかし、品質は購入後に顕在化するものである。ある製品を購入したが、ソフトウェアの不具合により面倒なアップデート作業を何度も実行した、使っていくとパフォーマンスが悪くなった、といった品質不良は購入後に発覚する。日本製品の品質に対するユーザの期待値は非常に高いため、このような品質の問題がひとたび発生すると、ユーザからの信頼を失い市場からの撤退を余儀なくされかねないのである。
まさに今、組込みソフトウェアの不具合は会社の存続をも左右しかねない事態を招く状況になっているのである。

表1:近年の組込みソフトウェアが原因と思われるトラブル

2007/03/02
au 3機種64万台に不具合使い方によってフル充電できなくなるソフトウェアの不具合が判明
2007/05/23
ひかり電話が一時不通NTT 東日本、NTT 西日本合わせて318万回線が3時 間半にわたり不通。中継機器交換時にコマンド誤入力(大文字と小文字の1文字の打ち間違い)でデータが破壊
2007/05/27
全日空の国内線予約がシステム故障2日間で130便が欠航。約7万人に影響。キャンセルなどによる損失4.5億円。空港端末とホストコンピュータをつなぐルータ管理プログラムの設定ミスによるメモリ故障が発端で全システムに波及
2007/05/31
圧縮天然ガス4車種でリコール燃料噴射装置に過大電流が流れる可能性。走行中エンストして再始動が不可になる恐れ。原因はエンジン電子制御コントローラプログラムのミス
2007/10/12
首都圏の鉄道660駅で自動改札機起動せず8都県660駅の4,300台の改札機約260万人に影響。中央コンピュータからのデータをIC カードに書き込むプログラムにミス
2008/02/08
東京証券取引所で先物の一部が売買停止。「TOPIX 先物取引」の銘柄で、2月8日10時59分に売買を一時停止した。原因はシステム障害
2008/07/24
Qantas の72便が西オーストラリア上空を飛行中に急降下オーストラリア運輸安全局はソフトウェア不具合であることを認めた
2008/09/11
PASMO:バス運賃で二重課金約6万件の誤課金が生じ、総額約1,100万円を過大に徴収していた。原因はバス運転手によるIC カード読み取り装置の誤操作。再発防止策としてソフトウェアの改修も実施
2008/09/14
全日空搭乗システム:14便が欠航。チェックイン端末が利用できなくなり、当日の14便が欠航となった。原因はソフトウェアの不具合
2008/12/12
スカパーHDでオンオフ動作不良レンタル用チューナーの電源オンオフが正常に動作しない不具合が発覚。原因はソフトウェアの不具合で、衛星ダウンロードによりアップデートを実施した

>> -03- 製品開発費の4割超をソフトウェア開発費が占める
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─ Index ─

-01- はじめに
-02- ソフトウェアの不具合が企業の存続に関わる大問題に発展
-03- 製品開発費の4割超をソフトウェア開発費が占める
-04- 品質の確保を阻む開発現場の現状
-05- 国際的なソフトウェア品質の定義
-06- ソフトウェアテストの戦略的リソース配分
-07- STEP1 開発している製品の製品戦略や製品特性を元に目指すべき品質(To Be)を定義する
-08- STEP2 現在のテスト項目や工数から現状の品質(As Is)を可視化する
-09- STEP3 目指すべき品質と現状の品質のGAP からテスト項目やリソース配分を検討する
-10- まとめ

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