組込みソフトウェアの品質問題が増加している背景には、組込みソフトウェアが大規模化、複雑化していることが原因として挙げられる。表2、図1、図2は経済産業省および情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(IPA・SEC)の「組込みソフトウェア産業実態調査」の結果である。図1のとおり、組込み製品開発費に占める組込みソフトウェア開発費の割合は年々上昇している。
また、次ページ図2のグラフは実際にソフトウェアのサイズが機能拡張に伴いどれ程大きくなったかを示すものである。2005年の調査では平均99万行だったソースコードが、2008年には平均2,845万行まで増加している。携帯電話を例にとってみても、1993年に第2世代携帯電話が登場しデジタル化されて以降、インターネット対応、国際ローミング、Java 対応などの機能拡張、適用範囲の拡大を続けており、1,000万ステップを超えるとも言われている。
より詳細な情報を付加しつづけているカーナビなども同規模といわれている。こうしたステップ数の増大が、組込みソフトウェアの品質の確保を非常に難しくしているのである。
ソフトウェアの肥大化は今後も続くと考えられ、組込み製品の品質差別化・競争力の重点はハードウェアからソフトウェアにシフトしていく。顕著な例としては、携帯電話の開発コストに占めるソフトウェア開発費の割合は、一説によると約80%に達しているという。
表2:各種ソフトウェアの行数例
| 携帯電話 |
500万行~ 1,000万行 |
|---|---|
| 自動車 |
700万行~ 1,000万行 |
| 通信機能搭載型カーナビ |
300万行 |
| HDD 内蔵DVD レコーダ |
100万行 |
| 薄型テレビ |
160万行 |
| 某都市銀行基幹システム |
10,000万行 |
図1:組込み製品開発費と組込みソフトウェア開発費の推移

図2:開発行数規模の推移

・組込製品開発費に占める組込みソフトウェア開発費の割合は年々増加している
・組込製品の差別化要因、競争力の源泉をソフトウェアが担っている
(出典) 経済産業省および情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(PA・SEC)の「組込みソフトウェア産業実態調査」より作成
>> >> -04- 品質の確保を阻む開発現場の現状
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─ Index ─
-01- はじめに
-02- ソフトウェアの不具合が企業の存続に関わる大問題に発展
-03- 製品開発費の4割超をソフトウェア開発費が占める
-04- 品質の確保を阻む開発現場の現状
-05- 国際的なソフトウェア品質の定義
-06- ソフトウェアテストの戦略的リソース配分
-07- STEP1 開発している製品の製品戦略や製品特性を元に目指すべき品質(To Be)を定義する
-08- STEP2 現在のテスト項目や工数から現状の品質(As Is)を可視化する
-09- STEP3 目指すべき品質と現状の品質のGAP からテスト項目やリソース配分を検討する
-10- まとめ