ホワイトペーパー:品質の「可視化」で戦略的なテストリソース配分を実施 -06-

ソフトウェアテストの戦略的リソース配分


多くの企業はソフトウェアのテストやレビューを実施する際、自社や自部門で定義されたテスト方法論などに沿ってテストを実施している。もちろん、ソフトウェアテストにおいて共通となる考え方は多く存在するし、ナレッジの共有化という視点からも決して間違いではない。ただ、それに従ってさえいれば開発している製品の品質を担保できるというわけではない。共通的なテスト方法論はあくまで一般論であり、今まさに目の前で開発している製品の戦略や特性を考慮したものではない。
著者がここで提案したいのは、開発している製品の製品戦略、製品特性をISO/IEC9126の品質特性に従って定量化することで目指すべき品質を可視化することにより、目指すべき品質に応じたテストリソース配分を実施する手法だ。
たとえば、起動時間の早さやブラウザのパフォーマンスなどの快適さを売りにしている携帯電話ならば、あらゆる利用シーンにおいて快適なパフォーマンスを提供できるか否かがこの製品の品質評価を大きく左右する。
この製品と既存製品におけるテスト項目とでは重点的にテストすべき項目が異なるはずである。メールなどのデータが増加した場合、電話機起動直後にブラウザを立ち上げた場合など、パフォーマンスが問われるであろうあらゆる状況を想定し徹底的にテストする必要がある。
売りにしている品質を確保できなければ、その製品は市場価値を失ったも同然となり、製品を開発している企業に対する信頼さえも失いかねない。
また、前作にてユーザビリティを一新して徹底的にテストを行い、今回の製品ではそのユーザビリティに大きな変更がない場合、前回同様にユーザビリティのテストにリソースを配分しても品質への寄与は少ないだろう。
このように開発している製品の戦略や特性によりテストやレビューの際に重点を置くべき項目が異なるのである。
では、具体的に製品の戦略や特性に沿ったリソース配分を実現するための手順の一例を説明しよう。大きくは以下の3つのSTEP から成る。

  • STEP1:製品戦略や特性による目指すべき品質の可視化
  • STEP2:テスト工数などによる現状の品質の可視化
  • STEP3:目指すべきと現状の品質GAP から打ち手の検討

STEP1で目指すべき品質(To Be)を可視化し、STEP2で現状の品質(As Is)を可視化する。STEP3では目指すべき品質と現状の品質のギャップを明らかにして、テスト工数や項目、期間などの配分を見直す。
以降ではSTEP ごとの具体的な手順や内容の一例を説明しよう。

>> -07- STEP1 開発している製品の製品戦略や製品特性を元に目指すべき品質(To Be)を定義する
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─ Index ─

-01- はじめに
-02- ソフトウェアの不具合が企業の存続に関わる大問題に発展
-03- 製品開発費の4割超をソフトウェア開発費が占める
-04- 品質の確保を阻む開発現場の現状
-05- 国際的なソフトウェア品質の定義
-06- ソフトウェアテストの戦略的リソース配分
-07- STEP1 開発している製品の製品戦略や製品特性を元に目指すべき品質(To Be)を定義する
-08- STEP2 現在のテスト項目や工数から現状の品質(As Is)を可視化する
-09- STEP3 目指すべき品質と現状の品質のGAP からテスト項目やリソース配分を検討する
-10- まとめ

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