図1を見ていただきたい。これは不具合管理の目的を3つのステップに分けたものだ。不具合管理と一言で言っても、その開発現場がおかれている状況に応じて目指すべき目的は変わってくる。
図1 不具合管理の目的

最初のステップである「不具合事象の管理」においては、目指すべき目的は以下の2点である。
これらを実現するためには、不具合情報を記録することにより、情報共有することが必要である。
不具合情報を共有することにより、重複して対応したり、対応が漏れたり、対応を間違うことを防ぐ。また、情報共有することで、発生している不具合状況全般が把握できるため、内容や緊急度、重要度などから優先順位や対応者を検討することができる。場当たり的に不具合対応するのではなく、優先順位に基づき迅速に対応することができるのである。
このステップを定着させることは、不具合管理の第一歩である。
次のステップである再発防止の目的は、発生した不具合事象への対応のみにとどまらず、不具合発生の原因を分析し対策を立てることで、類似不具合の再発を防止することである。
不具合の原因分析にはなぜなぜ分析などを用いて真の原因である真因を追及する。不具合が発生した事象への対応だけでなく、同一原因で発生しうる不具合の再発を防止することが、このステップの目的となる。
最後のステップでの目的は、過去に発生した不具合情報や真因分析結果・対策などをナレッジ化することで、組織の開発力を向上させることだ。有益な再発防止策を実施した場合や再発の恐れがある不具合の場合、ナレッジ化を行って広く共有し、類似不具合の再発防止、組織の開発力向上に貢献させることである。
このように不具合管理と一口に言っても、その現場の状況に応じて目的や対象は異なる。時に不具合事象の対応状況の可視化さえも運用できていないSTEP1の状況にも関わらず、STEP3で行うべき不具合ナレッジデータベースのようなシステムが導入されている企業を目にすることがある。恐らくコンサルティングファームなどが必要性を訴求して導入したと思われるが、全くもってナンセンスである。
不具合管理の導入や既に運用している不具合管理を有効活用するには、現在の状況や目指すべき目的を定義して改善を進める必要がある。
次章では不具合管理の導入や活用に向けた進め方について説明する。
>>-04- 自社の現状によって異なる施策
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─ Index ─
-01- はじめに
-02- 不具合情報入力は大変だが効果が出ない不具合管理
-03- いきなりナレッジデータベースを構築するのは失敗のもと
-04- 自社の現状によって異なる施策
-05- まとめ